軟酥の行法

軟酥の行法は、足芯呼吸と同じくよしおか気功の基本の一つであり、心と体両方に作用するものになります。
この行法は、江戸時代の禅僧で臨済宗中興の祖と言われた白隠禅師が、かつて修行中に禅病(現在で言うノイローゼ)状態に陥った際に実践し、禅病を完治させたという方法です。その効能を自らの心身で実感した白隠禅師は、「この方法で治らぬ病があれば私の白髪首をやる」と言い放ったと言われています。
頭上から筋肉・各臓器・エネルギーの強張りを緩めていき、汚れや傷、不安や緊張を下に下に洗い流していくと共に軟酥のエネルギーで心身を満たし、自らのエネルギーを本来の清らかな状態に戻していきます。
本来一番敏感であるはずの自らの心身の汚れ、傷、緊張度合い、またエネルギーのこわばりは、せわしない日常を送っている状態ではなかなか自分自身でも気が付く事ができません。心身を健康にしてエネルギーを本来の清らかな状態に戻し、またふと一時、本来・現在この瞬間の自分自身に立ち返るという時間は、心身にとって多くの効能をもたらしてくれます。